大和医戒

大和医戒(旧HPより)

大和医戒

大和医学とは、武士が戦いで勝つためには健康であることが重要であるとの考えのもと、「武家の医学」として発達してきた日本古来から口伝で伝わる伝承療法です。特に食養に特徴があります。

大和医学研究会について

原書「大和醫学」発刊に当たり


 

●平成18年2月26日    大和医学研究会主宰  伊禮祐子

真面目な歯科治療を求める患者さんを増やし、歯の重要性を伝えることが、今の自分の課題と考え研究活動をしております。また、あまり知られてはいませんが口の中には東洋医学的なつぼがあり、マッサージやブラッシングに適切に応用していくことも大切な今後の課題です。


元々、東京歯科研究会の金子暁会長と、共同研究の場として東京歯科研究会臨床研究所を立ち上げ、より質の高い咬合治療を目指す先生方を対象に個別指導、 臨床指導を主に自院(グリーン歯科医院)のスタッフ及び東京ドラリアム(東京歯科研究会の母体の歯科技工所)との連携でセミナーを行っていた経緯がありま したので、研究所の根幹となる大和医学をベースとした医の心を考える会として堀江先生の大和医学研究会の継承者として再開する運びとなりました。
研究会としての活動の第一段階として、堀江先生の原著をそのまま世に出す役割を荷っている私として、できる限り元本に正確な形で発行しようと思いまし た。この本を用いて、それぞれの読者がそれぞれに解釈したものを話し合う場としての抄読会を開催できたらと思う次第です。


堀江先生が歯科医に伝えたかった、歯科医だからこそ見逃してしまいがちな顎関節や口腔周辺と全身症状の関連や、歯科医にしかできない全身に良い影響を与える歯科治療というものを、私なりに歯科の先生方だけではなく広く一般の方に伝えていく活動の一歩として行けたらと思います。


本原書は大和医学が日本固有の風土に根ざした治癒力を目指した医学として、医療、歯科治療、整体治療等の医療行為、施術の全般への応用、特に歯科の分野 での治療等により効果的であることから、医師 堀江左京源義糾先生が「大和医学」の総合的な研究と普及を図る為に、大和医学研究会主宰で歯科医師である伊禮祐子先生と大和医学研究会主宰代行で東京歯科 研究会会長、大和医学整体師、歯科技工士である金子暁に「大和医学」としてこれを継承させました。本書の出版は、上記に鑑み両名が堀江左京源義糾先生からの(大和医学・伝承学説)、(大和医学・大和整体学)の2分冊からなる諸書を一つに取り纏めてこれを原書「大和医学」として出版するものです。


 

●米国公益法人  バイオメディカルアカデミー名誉学長 医学博士  水田順也

大和醫学の伝承の呼び方は“大和醫箴”といいます。その醫箴によりますと冒頭に次の言葉が輝きます。

『凡そ醫業に携わる者は診療に臨みてはその場を学術研讃の道場、精神修練の聖堂と心得て済生救民の誠を尽くすべし』

 この度旧友の故堀江糾医博の遺稿が、彼氏の直弟子で後事を託した伊禮祐子、金子暁両先生並びに彼の未亡人本多良子さんらによって出版の運びとなりました。堀江氏は日本医科大学出身の西洋医家ですが、群馬県新田郡を原点とした源氏の後裔に当り、父祖伝来の大和医学の伝承家としても一家をなし、その研究は広く医家の注目するところでした。


残念なことに彼氏は平成十六年七月,病に倒れて遺稿を弟子に託し世を去りましたが、生前堀江氏が主宰した大和医学研究会は伊禮女史に引き継がれ今日に至っています。 ところで、更に嬉しいのは伊禮祐子さんは歯科医さんでありながら堀江氏の大和医学研究会の主宰を引き受けられたことです。また金子暁さんも東京歯科研究会の会長でありながら伊禮主宰さんの代行という要職を自らかって出ておられるということです。


  いうまでもなく大和医学の目指すところは人間のホメオスターシスの構築で、九州医学の池見酉次郎先生の“病に効く特効薬はなく、病を治す医家はいない”と いう説を踏むのもです。人はその内なる治癒力と内なる心を持っています。その理想の医家たらんと堀江さんはがんばっていたわけで、その遺志を歯科研の方々 がこぞって受け継がれた快挙は、素晴しいと思います。“食は医なり”といいますがその医となす大もとは健康な「歯」にあることを広く深く師と弟子は理解し あっていたのでした。
 

ついでながら堀江家は、群馬県新田郡の、源氏筋に当る新田家に源を発し、正史に登場する名将新田義貞などが君臨します。この新田郡は原始人か弥生期に大群 落を造っていた土地で、櫛形には古代人が残した文化を誇る記念館があり、また奈良大和の朝廷から天皇の直使が派遣されてくる重要な政治の地でもありまし た。今この地に朽ち残っている勅使門がその史実を留めているのも、大和医学発祥の地ならではのことでしょう。
 

さて、今回出版される大和医学の著者名は、大和医学伝承家として代々遠い平安時代から伝えられてきた堀江家になるもので、彼氏の伝承者名である源家新田朝臣堀江左京源義糾となっています。 正史の重さをずっしりと感じるこの書が、伊禮さんらによって広められ、大和医学の目指す済生救済の旗印となりますように祈ってやみません。

平成十八年二月   米国公益法人  バイオメディカルアカデミー名誉学長 医学博士  水田順也

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